青空〜aosora〜
そんなある日、事件は起きた。

俺は、テルとタニと3人で

家の近くのコンビニでだべっていた。

死愚魔、どうしようか。

そんな事も話した。

対立するバッドボーイズというグループのことや

俺の彼女、アヤミのことなど

些細な、ほんの些細なことだった。

コンビニの駐車場。

俺たちがいつも溜まり場にしていた

ボウリング場横のゲームセンターとは

歩いて5分くらいの距離。

もう、俺とテルはゲームセンターには行かなくなっていた。

コンビニの駐車場に、一台の車が停まる。

シルバーのセダン。

俺たちは、特に気に留めるでもなく、

会話をつづけていた。


車から降りてきた男が、俺たちに話しかけてくる。

『木場テルユキ、後藤ユウ、谷島ケンイチ、だな?』

なんで、俺らの名前知ってるんだ、このおっさん?

そしておっさんは続けたんだ。

『傷害事件が起きてな、話を聞かせて欲しいんだ』

その人が出したのは警察手帳。

開いた名前は、野辺純一郎。

嘘みたいな話だが、その人はアヤミの、父親だった。

俺は小さく

『嘘だろ…。』

と、誰にも気付かれない様に呟いた。
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