青空〜aosora〜
傷害事件。

それは、死愚魔のメンバーの一人が、

対立するグループのアタマ、

ジュンって呼ばれるヤツを刺した、って話だった。

もちろん俺達は知らなかったし、

ましてや命令したりなんか絶対にしてない。

『お前が、やれって言ったんだろ?』

アヤミの父親ではなく、少年課の若い刑事が俺に聞く。

『だから違げぇ、って。

 何回言ったら分かるんだよ?』

このやりとりがもう、十数回繰り返されている。

『何回も言ってるけど。

 俺や、テルもタニも、もう。

 チーム畳む話だってしてたんだ!

 何回も言ってるだろ?

 バッドボーイズのアタマだって会ったことだってない。

 それに刺した、死愚魔のメンバーて奴も

 名前言われても顔、思い出せない。

 俺、知らないよ』

俺は、若い刑事との会話に飽き飽きしていた。
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