青空〜aosora〜
『アヤミにプレゼント?

 じゃ、ゲーセン行こうや』

金無い、って話をしたのにゲーセン?

タニの考えに俺が気付くのは

その数十分後だった。

刺繍の入った学ランを着た中学生が二人。

かつては溜まり場にしていたゲームセンターに。

死愚魔を解散してから、ここに来るのは初だった。

『おい、タケ』

タニが一人の男に声をかける。

どっかで見たことあるそいつは

振り向くと俺たちに頭を下げた。

『タニさん!ユウさんも。

 お久しぶりです』

思い出した。

隣の中学に通う、タケ。

俺達の1コ下で、死愚魔のメンバーだった。
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