青空〜aosora〜
その『ありがと』の言い方がそっくりで

蘇った記憶の中身と共に

ミキが何故クリスマスカードに

「ずっと好き」って書けって言ったかを理解した。

そして、アヤミと俺が付き合いだして

すぐにコウタと付き合いだしたミキ。

その気持ちを考えることをせず、

アヤミへのプレゼントをミキに相談してしまった俺。

いろいろな想いが頭を巡り、

微笑むアヤミの前で、俺は暗い顔をしていた。

『どうしたの?』

そう聞くアヤミに、

『なんでもないよ』

そう作り笑いで返すのが精いっぱいだった。



アヤミと過ごす内に、

アヤミの優しさ、笑顔、弱さに

どんどん惹かれていた俺は、

アヤミを100パーセント好きだった。

ミキへの気持ちはその時は完璧に過去のもので、

ただの友達だと思っていた。


ミキへの罪の意識はあったが

それ以上にアヤミを、好きだった。
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