青空〜aosora〜
歪に折れ曲がったアヤミの手、足。

急ブレーキの音とヘッドライトの眩しさが、

俺の五感を支配した。


世界は徐々に色彩を取り戻し、

スローモーションだった時の流れは

少しずつ正常に戻っていく。


動かなかった体が

いうことをきくようになり、

俺はアヤミに駆け寄り、抱きしめた。


『アヤミ!!』

いくら呼んでも、

アヤミが2度と返事をすることはなかった。

そして、その後。

『誰か!!

 救急車!救急車、呼んでくれ!!』

俺は、アヤミの体を抱き、そう叫んだ。

その後、数十分。

俺の記憶は、飛んでいる。
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