クレマチス


顛末はこうだった。
この少女は、緑山キヨだった。
しかし画伯と関係を持ってしまった事に負い目を感じ、奔放な城川歌子という人格を作り上げてしまった。
そして日に日に彼女の精神は城川歌子に乗っ取られてゆき、ある日頂点を迎えた。
画伯に迫った時、城川歌子とししての彼女は首に裂傷をおったのだった。
それを良しとした『緑山キヨ』は、城川歌子を殺したことにして第二の人格から決別しようとした。
しかしあまりにも凶暴な歌子の魂は画伯を監禁し、半死半生の状態にしてしまう。
それに戸惑ったキヨは少しでも画伯を傷つけないためにと警察に出頭したのだった。
しかしやはり抑えきれない人格に負けて、今に至るのだと思う。
最期の彼女はキヨだったのか、それとも歌子だったのかは、誰も知らない。


――これは夢なのか、それとも…

塚原は縄を解き、ただ呆然と血の中に立ち尽くした。






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