ジキタリス
『私と兄様は永遠なの!でもどうしても戸籍だけは動かせない…!だから他人同士の癖にのうのうと平気な顔で夫婦を演じている奴らが許せなかった。だから殺してやったのよ。塚原様はまだ奥様がいらっしゃらないのね。奥様を娶られた暁にはあははははははははははははははははッ』
――警官夫婦殺しもこの女がやったのか。あの夜覗き窓からそっとこちらの様子を伺っていたのも彼女だったのだ。
『では…本物の入江刑事は今どこに…?』
その言葉を聞いた瞬間、美都子は頭を抱えてその場に倒れ込んだ。
『何を言ッているんでス警部。僕なラ目の前にイるじゃアないですか』
『兄様なら私のオ腹の中デ眠ってイるわ、一寸時間が掛かッたけレど骨まデきっチり食べ』
人格が崩壊しだしている。
男とも女ともつかぬ声がひとりでに話し出す。
塚原は寒気を覚えた。
底のない瞳に見つめられると体が動かなくなる。
――警官夫婦殺しもこの女がやったのか。あの夜覗き窓からそっとこちらの様子を伺っていたのも彼女だったのだ。
『では…本物の入江刑事は今どこに…?』
その言葉を聞いた瞬間、美都子は頭を抱えてその場に倒れ込んだ。
『何を言ッているんでス警部。僕なラ目の前にイるじゃアないですか』
『兄様なら私のオ腹の中デ眠ってイるわ、一寸時間が掛かッたけレど骨まデきっチり食べ』
人格が崩壊しだしている。
男とも女ともつかぬ声がひとりでに話し出す。
塚原は寒気を覚えた。
底のない瞳に見つめられると体が動かなくなる。