ジキタリス
――逃げなければ。
這うようにして逃げる。
それを追う女の裾が燭台を倒した。
塚原がドアを開けたと共に乾いた空気が流れ込む。
――あっ…!
燭台に掛かった蝋燭の炎は家を焼き、あっと言う間に彼女の着物に焼け移った。
誰の物ともつかぬ断末魔の悲鳴を背に、塚原は暗い坂道を転がるように落ちていった。





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