澄んだ瞳に



「お前に話してなかったって言ったら、これっくれぇかな……」


と、淳は言った。



淳は、これぐらいと簡単に言い放ったが、私には凄く重みのあるものだった。



それは、私の知らない淳の過去だったから……




「あっ………!」


と、私は突然思い出した



「なんだ?急にでけぇ声出すから、ビックリするじゃねぇか……」


と、淳が言った



「この前、別荘とオムライス食べた時、淳は何も言わずに、アイスミルクティーを出してくれたり、頼んでくれたよね……」


と、淳に聞いた。



「……あ〜……」



「……どうして?」



「……悠哉から聞いた」



「やっぱり、お兄ちゃんが喋ったんだ……」



「違うぜ……俺が、悠哉から聞き出した」



「……そうなの?」



「あ〜……ことあるごとに、悠哉から、お前の情報集めしてた……」


と、淳が言った。



「それも、2年前から?」


「ハハッ…なんか、俺ってストーカーみてぇだな……お前の……」


と、淳が笑って言った



「ストーカーさんなら、他には、私の何を知ってるの……」


と、淳に聞いてみた



「ストーカー呼ばわりするんじゃねぇよ!」


と、淳は怒った



「……だって、淳が自分で言ったんだよ……」



「まぁな……」




そう言った淳は、タバコを1本、箱から取り出し、火を着けて、ゆっくり、ゆっくり、味わっていた







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