澄んだ瞳に



タバコを吸い終わった、淳が言った……


「そろそろ、帰らねぇとな……。」



「……うん。」



その時だった。



淳の携帯が鳴った。



「悠哉からだ!」




『お前、どこ行ってんだぁ?』



「わりぃ、ちょっと一服しに……。」



『澪が、家出した!』



「……はっ?」



『澪が、いなくなったんだ!』



「あっ、そっ!」



『あっ、そっ!って……
ったく! 家じゃ、大騒ぎになっちまってるんだぜっ!』



「じゃ、探さねぇとな?」


『お前のせいだかんな?』


「……なんで?」



『泣かせただろ?澪を…』


「あ〜……。」



『じゃ、ちゃんと連れて帰って来いよ!』



「あ〜……。」



そして、電話を切った。



悠哉は、全てお見通しってことか!と思うと、俺はなんだかおかしくなって、笑った。


ハハハッ…



淳が、急に笑ったのが、不思議だったので、尋ねた。


「………どうしたの?」




「お前、捜索願い、出てんぞ!」



「………はっ?」




私たちは、急いで帰った。




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