澄んだ瞳に
第三章
花火大会
出勤の前に、家に戻って、着替えをするからと言って、淳は帰ってしまった。
今まで、私の横にいた淳の肌の温もりが、まだ残っていた。
私は、服に着替え、洗面所に行った。
すると、朝の身支度をするお兄ちゃんがいた。
「よっ!澪。」
「お兄ちゃん、おはよう」
お兄ちゃんが、私の顔を見て、ニヤニヤしている。
「何よ?お兄ちゃん!気持ち悪いってば〜……。」
すると、お兄ちゃんは、より一層ニヤニヤして、私の顔を覗き込むようにして、言った。
「お前さ〜、昨日の公園といい、夜中といい、何やってんだぁ……?」
……えっ?
お兄ちゃん、何で、知ってるの?
お兄ちゃんに、全部バレてる?
私が、おどおどしてしまって、つい口を付いて出てしまった。
「な、なにもしてないって……」
すると、お兄ちゃんが言った。
「……ふ〜ん。やっぱ、淳と一緒だったわけ……」
……えっ?
なんで…?
「単純なやつだな……」
お兄ちゃんは、そう言って
ハハハーと笑った。
「もぉ〜、お兄ちゃん!」
私は、怒って、言った。
「親父たちには、まだ内緒にしてっから……」
「お兄ちゃんの、意地悪」
私は、プーッと口を尖らせた。
「その顔、写メで、淳に送ってやれよ!」
もぉ〜
ほんと、最低!
お兄ちゃんのバカ!