澄んだ瞳に




智香と別れて家路に着いた



ママと二人で、お昼を済ませた後、自分の部屋に行きベッドに寝転がった。




淳のことを思った。


昨日の夜は、淳に腕枕をされて、眠った。



そして、淳の声で目覚めた


ほんの今朝、淳と別れたばかりなのに、今すぐにでも淳に逢いたいと思った。


逢えないのなら、せめて声だけでも、聞きたいと思った。




携帯が鳴った……


私は、すぐに携帯を開けた。


……淳からだ。


私は、嬉しさの余り、勢いよく、電話に出た。



「もしもし、淳?」



『あ〜。』



勢いよく、出たものの、愛しい淳の声を聞いた途端、身体の力が抜けたようで、何も言えなかった。




『……どした?』



「何もないよ〜。淳こそ、どうしたの?仕事でしょ……?」



『お前の声が、聞きたくなった……』



淳も私と同じことを、考えてくれてたんだ。


嬉しい〜〜〜〜




『9日の土曜日、逢いたい!』



……花火大会の日だ。


智香とさっき、約束した。

でも、淳に逢いたいと言われ、心が激しく揺れる。


一緒には行けないと、寂しそうに言った、智香の顔が浮かんだ……



私は、淳には断ることにした



「……あのね、淳、その日は智香との約束があるの……」



どうしよ〜………



淳の機嫌避けねないかな?


凄く不安になった。





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