澄んだ瞳に




私が連れて来られたところは……



見覚えのある風景……



そこは……


人気スポットの遊園地だった。




車を駐車場に止め、メインゲートに向かう。



チケットブースの前には、長蛇の列……


私たちも列の最後尾に並ぶ



順番が来て、チケットを買って、開演時間を待った。



――9時 開門



ドッと、人が押し寄せて来て、転けそうになる。
淳が私の腕をガッシリと掴んでくれた。


「大丈夫か?」と、心配顔で、淳が聞いたので、私は、うん!と頷いた。



智香は、いつも私がしてもらってるように、お兄ちゃんの手をグイグイ引っ張り、リードしていた……




人並みから外れたところで4人一緒になる。



そして、淳が、「ちょっとトイレ……」と言って、人の波で見えなくなった。




しばらく待っていると、淳が戻って来た。



4人が揃ったところで、一番最初はどのアトラクションにするかの、討論会が始まった。


淳…どれでもいい

私…絶叫系じゃなければ

智香とお兄ちゃん…絶対絶叫系


多数決により、絶叫系に決まった。



最悪だ…


よりにもよって、智香とお兄ちゃんは、絶叫系大好き人間だった。



智香とお兄ちゃんは、ルンルン気分。


いつの間にか意気投合して腕なんか組んで歩いてる。


私は、淳に手を引っ張られながら、重い足取りで歩いた。



「私たち、先に行って並んでおくから〜……」と智香が言って、お兄ちゃんと二人で、走って行った。



二人が先に行ってしまうと

「俺たちは、別のにすっか?」


と、淳が言った。


「でも……あの二人、物凄く楽しみにしてるから……。」


と、私は、言った。



すると、淳が

「無理してねぇか?」

と、言ったので、私は、


「大丈夫。」

と、笑って言った。


「じゃ、行くぞっ!」

と、淳が言って、二人の元へと急いだ。





< 131 / 277 >

この作品をシェア

pagetop