澄んだ瞳に



私は、急に黙り込んだ。


すると、

「……どした?何も聞かねぇのか?」

と、淳が言った。


私は、それでも黙ったままだった。


「何も聞かねぇなら、話さねぇから……」



なんで?

なんで、そんな意地悪な言い方をするの?


さっきまで、嬉しいと思っていた気持ちが、いっぺんに覚めた。



「じゃ、別に話してもらわなくてもいい。」


私は、静かに言った後、顔を下に向けた。

そして、ぼんやりと水面を見ていた。



「何、怒ってんだぁ?」



「…………………。」



「仕方ねぇな〜……話してやるよっ。」



「いい、もういい。」


私の精一杯の抵抗だった。


すると、淳が、いきなり

ハハハーッと、声を上げて笑った。



はぁ?

なんで、笑ってるの?

私、怒ってるんですけど…

今、泣きそうになってるんですけど…





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