澄んだ瞳に




「この前のお返し……」

と、淳が言ったが、何のことを言ってるのか、さっぱりわからなかった。


「……はっ?」



「俺のこと笑っただろ?」


「………って、いつ?」



「お前の家に行った時…」


全く覚えてなかった。



「………ん?」



「焦って、酒を吹き出しそうになった時……。」



あっ、思い出した!

パパが、淳が息子だったらな…と言って、その時にお兄ちゃんが、そのうちに…って、言った時だ。

確かに笑ってしまった私は、淳に睨まれたんだった。
覚えてろよって言っているような、目をしてたんだ。


「あっ……。」と、言った後は、何も言葉が出なかった。



「ハマってやんの……」
と、言って、また淳が笑った。



「もぉ〜〜〜……」
と、私が、口を尖らして言うと、



「その顔だろ?悠哉に、俺に写メを送れって言われた時の……。」




淳にも、お兄ちゃんにも、やられてしまった。




白旗揚げます……

降参





< 137 / 277 >

この作品をシェア

pagetop