澄んだ瞳に
お兄ちゃんたちと、別行動になった淳と私は、お子ちゃまが喜びそうなアトラクションばかりを、いくつか回った。
そして、お土産を買いに、お店に入った。
淳は、トイレに行くと言って、一旦店を出たので、私は一人、店の中を見て回った。
見るもの全てが可愛くて、どれも皆欲しくなる。
店の中を、いろいろ見ているうちに、私は、あることを思い付いたのだった。
お揃いの物を買って、淳にプレゼントしようと……。
そして、私は、あれこれ悩んだ挙げ句、携帯ストラップを買うことにした。
それが、お互いに肌身離さず持っていられると思ったからだった。
「あっ、これがいい…。」
と、私が手に取ったのは、
私の好きなキャラクターの男の子と女の子が、それぞれ付いていて、お互いの手の部分をくっ付けると、ハートの形で繋がる、ペアになったものだった。
色は銀一色とシンプルで、男の淳にでも、違和感なく付けてもらえそうな、大きさのものにした。
お金を払い終わって、辺りをキョロキョロと、見回したが、淳の姿はなく、はぐれちゃったかな?と思い、私も一旦店を出て、店の外で、待つことにした。
すると、淳が戻って来て、「わりぃ……」と、両手を顔の前で合わせて言った。
「随分、時間かかったんだね?」と、私が言うと、
「ついでに、タバコ吸ってた……」
と、淳が言った。
時間は既に、5時を回っていた。
淳がポケットから携帯を取り出すと、誰かに電話をかけた。
その時、私は、淳の携帯には、ストラップが何も付いていなかったことを、チェックしていた。
喜んでくれるかな?淳……。
「あ〜、じゃ、6時にな……」
と、言って、淳が電話を切った。
「6時に何かあるの?」 と、私が淳に聞くと、
「悠哉たちと落ち合う」とだけ言って、私の手を取り、自分の手を絡ませると、「行くぞ!」と言って、歩きだした。
着いた先は、レストランだった。
私たちは、お兄ちゃんたちがくるのを、店の前で待った。
そして、お兄ちゃんと智香が、やって来て、4人で店の中に入った。