澄んだ瞳に



料理と飲み物が、テーブルに運ばれてきた。



食べ始めて、しばらくすると、ショーが幕開けした。


私たちは、食事を取りながら、観賞した。

ミュージカル調になったものだった。



ショーの後半に差し掛かると、キャラクターたちが、舞台から降りてきて、私たちのテーブルまでやってきた。


二人の彼女は、手を叩いて喜び、無邪気に笑う。


その二人の彼女を見て、それぞれの彼氏は、目を細めて微笑む。




そして、幕を閉じた。




席を立ち、店を出ると、外はすっかり暗くなっていて夜のパレードが始まろうとしていた。




私たちは、空いた所を見つけ座った。



お兄ちゃんと智香が座り、その横に淳が座った。


淳が先に座ったので、私がその横を座ろうとすると、手を引っ張られ、淳の膝を立てた足の間に、座らされて、後ろから、私の膝を抱えられる形になった。



「こんなの、恥ずかしいよ〜」
と、私が言うと、淳は自分の顎を私の肩に乗せて、

「澪と同じ高さの目線で、見ていたい……」と、言った

「………淳……」


そして、ギュッと、抱き締められた。






パレードの始まりを告げるファンファーレが鳴った。




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