澄んだ瞳に

ダブルデート!? 番外編―お兄ちゃん―


俺と智香ちゃんは、淳と、具合の悪くなった澪とは、別行動を取ることになった。


二人になって、歩き出すと智香ちゃんは、澪に、悪いことしたな〜。と、自分を責めるように言ったんだ


澪のこと、気にしてくれてんだな。

優しいな……智香ちゃん。

「苦手なのは、昔っから知ってたが、まさかあんなになるとはな〜……。でも、智香ちゃんが悪い訳じゃないから、気にしなくてもいいよ。」と、言って、智香ちゃんを見ると、肩を落として、元気が無くなってしまっていた。

どした? 智香ちゃん。


俺は、智香ちゃんを励ますつもりで
「結局、淳と二人っきりになれたんだから、いいんじゃねぇの?」と、言った。
そしたら、智香ちゃんは、俺に、悠哉さんは、優しいね。と言った。


優しいねって、どういう意味だ?

智香ちゃんを励まそうとしたことか?

それとも、妹想いの優しいお兄ちゃんってこと?


それに、
悠哉さん、だなんて……

悪くない響きだな〜。

それに、何だか、ドキドキしてますが……俺

智香ちゃん、可愛いな。


そして、俺は、無意識に智香ちゃんの手を繋いだ。

ほんとに無意識だったのかは、わからない。

意図的だったのかも……。


12時までの間、俺は智香ちゃんと、絶叫系のアトラクションを回った。


俺もかなり好きだったが、智香ちゃんは、俺を上回るぐらい、好きそうだった。
絶叫アトラクションに乗って、大喜びで、笑ってる女の子なんか初めてだ。


澪は極端過ぎるが、普通は、キャ―ッとか言って、怖がるんじゃねぇの?


智香ちゃんが、怖がって、俺の腕にしがみつく……


フフ……

悪くないね〜………。


バカか?

何、想像してんだ?


なんか、凄く智香ちゃんを意識してる?


淳に感化されたか?

淳から、澪と付き合うことになったと聞いた時、俺は内心、あんなガキどこがいいんだ?と、淳の神経を疑った。

そして、物好きだな、とも思った。


でも、今の俺は、ガキだと思っている、澪と同い年の智香ちゃんのことが……


智香ちゃんのことが



好きになってる?



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