澄んだ瞳に
話が終わると、男の人が乗り込み、ドアが閉められた
そして、ゆっくりと、車が動き出した。
「その制服、清南高校?」
ドキッ
さっきの男たちと同じ質問をしてきた。
「……はい。」
智香が返事をしたが、私は俯いた。
男の人は、タバコに火を着け、スモークが貼られた窓の外を見ている。
……………………………。
長い沈黙が続く。
フーっと、タバコの煙を吐く音だけしかしない。
車内の空気は、はりつめていた。
時間の過ぎるのが長く感じられる。
そのまま、何も会話が交わされることなく、30分ほど走ったころだろうか、車が止まった。
「着いたんじゃねぇか?」
「……えっ?あ、はい。」
後部のドアが開けられた。
すると、そこは智香の家の前だった。