澄んだ瞳に

「今日は、助けていただいた上、家まで送ってくださって、ありがとうございました。」


「あ、ありがとうございました。」




お礼を言って、智香が先に車から降りたので、私も智香の後を続いて、降りようとしていた。


「お前の家、ここじゃねぇだろ？」


「………へっ？」


急に、言われたので、変な声が出てしまった。


確かに違う。


でも、智香が降りてしまったら……


私と、あの人が二人きり


そんなの
ムリムリムリムリムリッ


絶対!!ムリ――――ッ!!


「俺と、二人っきりになるのが、そんなに嫌か？」


「……えっ？」


どうして、私の考えてることがわかるの？


この状況じゃ、すぐにわかるか……


「ちゃんと、お前の家まで送ってってやっから…。」


「……はっ、はい。」


結局、当たり前だが智香だけが、車から降りた。