澄んだ瞳に
そして、淳が話を続けた。
「今日は、そのご報告に、参りました。」
「もし、お許しがいただけますなら、将来は、僕の妻として、迎えたいと考えております。」
「社会における僕の立場を考えると、澪さんに苦労をかけることは間違いないと思います。ありふれたことしか言えませんが、僕が全力で、澪さんのことを、お守りいたしますので、どうか将来を踏まえた、僕たちの交際を、お許しいただきたいと思います。」
緊張が走る…………。
パパが腕を組んだ。
ママは、少し俯き加減だった、顔をゆっくりあげた。
「こんな娘で良ければ、熨斗を掛けて差し上げますわ〜。ねぇ?パパ……」
「ハハハハ―――っ。ママは上手いこと、言うじゃないか……。」
「あら、そうかしら?」
「淳君!」
と、パパが言った。
目を下に向け、パパとママの返事を待っていた淳が、急に自分の名前を呼ばれて、ビックリして、パッと目を上にあげて返事をした。
「はい。」
「私の念願が叶ったよ!」
「あの………?」
「娘の澪が、淳君の奥さんになれば、必然的に、淳君は、私の息子になるってことじゃないか……。」
「そうね。パパはこの間から、淳君が息子だったらいいなって言ってましたもんね?」
「私も、ママも、大歓迎だよ、淳君。」
「あ、ありがとうございます。」
淳も、かなり緊張していたんだろう。
どもっていた。
あんなに緊張していたのに、パパとママの反応に、何だか拍子抜けした感じだった。