澄んだ瞳に
「澪……。」
と、急にパパが、私の名前を呼んだ。
「……はい。」
「まだ少し先の話だが、淳君の妻になるってことは、何千人もの従業員を背負って立つ社長の、妻になるってことだ。……わかるな?」
「……はい。」
「17歳の今のお前には、難しいことを聞くかもしれないが……。この先、澪にその覚悟が出来るのか?」
パパはいつになく真剣な目で、私を見ている。
「私に務まるかどうかはわかりません。でも一生傍にいて、私の愛する人の支えになりたいと思います。」
私は、精一杯の気持ちで、答えた。
「よくわかった。務められるよう、澪自身、頑張りなさい。私もママも応援するよ」
そういうと、パパが、ママの方に向いて、ママもそうだよな?と、確認した。
「……パパ、ママ……。」
一筋の涙が頬を伝った。