澄んだ瞳に




「それと、淳君……」



「はい。」



「君は、大したもんだ。やはり、その若さで社長をやるだけの器を持ってるな。私にも真似出来ない、立派な挨拶だったよ。脱帽するよ。」



「いえ…、恐れ入ります」


「もう一つ言わせてもらっても構わないかな?」



「もちろんです。」



「私たちは少なくとも、悠哉と付き合い出した頃から、君を見てきていたつもりだ……」



「……はい。」



「私たちが、断る理由はどこにも見当たらないよ。」



「ありがとうございます」



「親として、在り来たりの言い方しか出来ないが、どうか澪を幸せにしてやってくれ。」




「わかりました。お父さん、お母さん、ありがとうございます。」




そう言った、淳の目にも光るものがあった。





淳がいつもパパとママのことを、おじさん、おばさんと呼んでいたのが、お父さん、お母さんに変わっていた。



その言い方が変わったと同時に、淳の立場が、お兄ちゃんの友達から、私の彼氏、そして将来、私のだんな様になることを意味していると思った。





< 180 / 277 >

この作品をシェア

pagetop