澄んだ瞳に




「それと、もう一つお願いがあります。」



「何だね?この際だから、洗いざらい、話してみなさい。」



まだ、言い忘れたことが、あるの?


私は、淳の方をみた。


それに気付いた淳は、少し微笑んだのだった。



「来週にまとまった休みが取れたので、澪さんと旅行に行きたいと思っております。それも、お許しいただきたいのですが……。」



私は思い出していた。


淳にからかわれて聞けなかったけど、長期の休みが取れそうだって、言ってた。

このことだったんだ……。


「もちろんだ。楽しんでおいで。」



「はい!」




そして、ママが言った。


「さぁ〜、それじゃ、お祝いしましょ。澪、手伝ってちょうだいね。」



「はーい!」



ママが、こっそり涙を吹いていた。



私は見ない振りをした。




パパ、ママ


ほんとに、ほんとに


ありがとうございました。





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