澄んだ瞳に
家の中に招かれ、まず初めに、おじさんとおばさんに挨拶をした。
おじさんは、酒を飲もうと言ったが、断った。
その前に、やらなきゃならねぇ、人生最大の仕事がある。
もう一度、鼻で深呼吸をして……。
澪さんと、お付き合いをさせていただいております。
噛むことなく、言えた。
とりあえず、俺の中の第一関門クリア。
おじさんたちの反応が凄く気になったが、俺は、一気に話をした。
何度も何度も繰り返し、この光景をイメージして、リハーサルした。
リハーサルでは、いつも完璧だった。
当たり前か……。
だって、相手がいねぇだもんな。
今は、澪の親父さんと、お袋さんが、目の前にいる。
手は、汗で、濡れていた。
手をギュッと握った。
そして、リハーサル通りに話をした。
よしっ!
俺の気持ちは、全て伝えた
第二関門クリア……
後は、おじさんたちの返事を聞くだけだった。