澄んだ瞳に



淳は、しばらく車を走らせた……


海と街を一望出来る、丘に行き、車を止めた



オレンジ色の夕日は、ゆっくりと海へと沈んでいく……



普段なら、気にも止めない風景だけど、好きな人と見ているだけで、とてもかけがえのないものに思える



今日のこの夕日も、私の目に焼き付き、淳との思い出の一つになるのだろう……


この先、どれほどの思い出が出来るのだろう……



私は、その一つ一つを大切にして、遠い将来、淳と二人で、懐かしく語れる時を夢見てる……





「綺麗だね……」



「あ〜……」



「澪……」



「……ん?」


淳の方に顔を向けた


淳の顔が近付いてきた…


キスをされると思って、そっと目を閉じた……


淳は、私の顔を両手で優しく包み…
ゆっくりと唇に触れた…



……………
長いよ……
あれ……終わらない…



淳の舌が………
私の中に入ってきた…



えっ………
ど、どうしたらいいの…



私はされるがままだった



キスは激しくなる一方…



く、く、くるし………


い、い、いきが……


じゅ、じゅ、じゅん……



私は淳の胸を押した……



「……どした?」



「くっるし……ぃ」



「ハハハー……息してたか?」



「……してない」



「しろよ……」



「……だって…私」


初めてだもん……
したことないもん……
この前のがファーストキスだったんだもん……



「慣れるさ……」



「…………。」



「ハハハー…やっぱ、お前、可愛いな……」





このまま死ぬかと思った

慣れないと思った……





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