澄んだ瞳に



パパ公認デートは、特別どこかに行ったわけでもなく、車の中で語り合っただけで終わり、帰路へ……



「肝心なこと、忘れてんな……」


淳が今日パパに許可してもらった、旅行の話をした……



「来週、いつがいい?」



「いつでも…淳の都合に合わすよ…」



「あ〜…あっ、行きたいとこある?」



「淳とゆっくり、のんびりしたい…」



「わかった、手配する」



「…うん」



淳と二人で過ごせると思うと、来週が待ち遠しくなる

早く、来週にならないかな……


お楽しみは後に取って置くものって、よく言うけれど、私は明日でもいいと思う

ずっと、片時も淳と離れたくなくなってる、私……



そんな時、ふと私の頭の中に、あることが過った…


それは、卒業後の進路のこと……


淳と離れたくないと、思っている今、淳との結婚を考えてしまう……


実際はいつの話なのかもわからない……


進学したからと言って、特に何を勉強したいとかもない……


でも、パパに言ったように、何か淳の支えとなるよう、専門知識を学ばないといけないのかとも思う……


どうしよ……


悩むな……




いろいろ考え込む私……


その様子を見ていた淳が、私に声をかけた……



「……澪」



「何……?」



「今、何考えてる……」



「……ん?淳と一緒に旅行が行けて、嬉しいって……」



「…そっ、俺も…これからは堂々と胸張っていられんな…誰にも遠慮せず…」



「……うん」



「これからだな、俺たち……」



「うん…今日からがスタートなんだね…」



「あ〜……」




淳が言った後、またキスをした……



長いのは、止めてね……


苦しいから……



息しろ!



やっぱり、苦しい……





キスを終えると、淳は車を発進させ、私の家へと、向かった……





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