澄んだ瞳に




「告白された時、お父さんの、どういうところに惹かれたんですか…?」



「そうね……強いて言えば、パパの瞳かしら…」


と、お母さんは言った



「瞳ですか…?」


私は透かさず聞いた。


すると、お母さんは言った

「告白してる時に、パパはジッと私を見つめてたのね…その時の瞳がね、何とも言えなくてね……吸い込まれそうになる?っていうのかしら…」



私は、はっ!とした…

同じだ。

私も初めて淳と逢った時に思った…

吸い込まれそうになるような瞳……



そして、私も、お母さんに言った…



「私も同じです。初めて淳さんに逢った時に、吸い込まれそうになる瞳で、見つめられて……好きになってしまいました…」


顔が赤くなった…



「そうだったの…そんなところまで、一緒だなんてね…」


と、言った、お母さんは、フフフッと笑った。



「言われてみれば、パパと淳はソックリですものね…特に瞳なんか……淳が小さい頃、私に物をねだるの…その時の瞳がね…何度、淳にドキッとさせられたことか…フフフッ…」

と、言って、お母さんはまた笑った。



すると、お父さんが、言った。



「おいおい!子供にドキッとさせられて、どうするんだ…それに、その話は初耳だぞ…」



「そりゃそうでしょ…淳にドキッとさせられたなんて言ったら、あなた、淳にヤキモチをお焼きになるでしょ?」


と、お母さんが言うと、お父さんは、顔を赤くして、私たちから、目を反らしてしまった。





< 204 / 277 >

この作品をシェア

pagetop