澄んだ瞳に
和やかな雰囲気で、食事が進められていると、お父さんが、口を開いた…
「澪さん…」
と、呼ばれた私は、食べるのを止め、お父さんの方に顔を向けた。
すると、お父さんは
「淳は、私の後を継いではくれているが、社長としての器はまだまだだ。私もそうだったんだが、気持ちが折れそうになることが何度もある。そんな時に、あなたのような人が、傍にいてくれるだけで、乗り切れる。無理を承知だとわかって言いますが、これから先も、ずっと淳の傍にいてやって欲しい……お願い出来るかな…?」
そう言ったお父さんは、私の目を見て、答えを待っている…
「もちろんです。私も淳さんの傍に、ずっといたいと思っています。」
と、私は言った。
お父さんは目を細めて、微笑んだ。そして、
「そう思っていただけて、私たちも幸せです。これからも淳のことを、お願いするよ…」
と、言った。
「淳、澪さんを泣かせるようなことは、しないでちょうだいね…将来、私の娘になる人なのよ…もし泣かせるようなことをすれば、ママが許しませんからね…」
と、お母さんが言った。
すると、淳が言った。
「…んなことしねぇって…澪の親父さんとお袋さんの前で、誓ったんだ。」
「そうだったな、わかっていれば、それでいい…」
と、お父さんが、淳に言った。
その後、食事を終え、私たちは、淳のお父さんたちと、お店の前で別れた。