澄んだ瞳に
どれくらい時間が経ったのだろうと思うくらい、時間がゆっくりと過ぎる…
ほんの10分ぐらいしか経っていなかった。
「今日は、帰ろ……」
淳が言った言葉は、まるで淳から突き放されたようで、妙に切なく感じた…
淳は、私に我が儘になれって言ったよね?
じゃ、私の我が儘聞いてくれる?
私…淳とひとつになりたいって思ってんだよ…
それって、淳が言うように、私が思ったらダメなの?
言っちゃいけないの?
ねぇ…淳…
私のこと抱き締めてよ…
離さないでよ……
ダメだ、私、涙が止まらない……
今日は、笑ってろ!って言ってくれないもんね…
私、淳が言ってくれないと笑えなくなってるよ…
私を家まで送ると、淳は、ママに挨拶だけをして、そのまま帰ってしまった…
虚しさだけが、胸に残っていた。