澄んだ瞳に

憂鬱な私




私は、淳に家まで送ってもらった後、すぐにお風呂に入った…


誰とも話をしたくなかったからだ。


ママだって、きっと聞いてくる…『どうだったの?』って…

どうだったの?と聞かれても……


忘れてた!肝心なことを…
淳のご両親に逢ったことを

そんな大事なことすら忘れてしまうくらい、その後の淳とのことを、引き摺ってしまっていた……





お風呂から上がると、そのまま自分の部屋に……


淳からメールや電話が入ってないか、携帯を見る……

淳からは何も入ってなかったが、智香からメールが入っていた……



内容は、明日、買い物に行こうというお誘いメールで、明後日からの旅行の買い出しに…と、書かれてあった……



明後日から…?



これも、忘れてた。

淳から、旅行の手配をしたと聞いただけで、行き先は教えてくれなかったし、いつから行くのかも、聞いていなかった。


ただ、お兄ちゃんと智香が一緒に行くことになったということだけは、聞いていた。



あんだけ楽しみにしていた淳との旅行なのに、今の私は、買い出しに行こうなんて誘ってくる、智香からのメールにさえ、ウザイと思ってしまった。




とりあえず、智香にメールを返信した。



了解です。

たった一言の短い文だった





その後、しばらく起きていたが、淳からは何も言って来なかった。






携帯を握り締めたまま、眠ってしまった。







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