澄んだ瞳に
男の一人が、俺に殴りかかろうとした時だ。
『とし、やめとけ!』
………何?
俺は、そいつを見ていた。
そいつは、俺に対して深々と頭を下げた。
「あいつ…………。」
ヒロ………
学生の頃、俺のことを、兄貴、兄貴と慕ってきてた。
俺も、慕ってくるヒロを、弟のように、可愛がった。
美容師になりたがっていたが、ヒロが高校に入学すると同時に、親が離婚し、ヒロは母親に付いた。
もちろん、母子家庭となった。
ヒロは、私立行かせてもらってるだけでも、大変なのに、これ以上、母親には迷惑かけられないと言って、専門学校へ行くのを諦めていた。
俺は、夢を持ってるヒロに、どうしても夢を叶えさせてやりたくて、親父に頼んで、専門学校へ進学出来るようにしてもらい、入学したのだった。
あれから、5年………。
きちんと職についてても、おかしくない。
なのに、なんで?
なんで、あんな連中といるんだ?
一緒にいた連中の評判を、耳にしたことがあるが、すぐにでも、捕まってもおかしくないようなことをしているようだった。
ヒロ、お前、一体何があったんだ?
俺は、今日、偶然にも
澪とヒロの二人に再会した