澄んだ瞳に
ランジェリーショップを出た私たちは、次に水着を探しに行った。
8月も終わりの週に入っていて、値下がりしていたが、どれもパッとするものが無くて、二人とも買わなかった。
「そう言えば、今年は一度も泳ぎに行ってないね…沙希や理世たちとも、逢ってないし……まっ、それどころじゃなかったもんね…」
智香が言ったように、ホントにそれどころじゃなかった……
終業式に淳と出逢って、それからというもの、目まぐるしくバタバタして、あっという間に夏休みが終わろうとしていた……
「でも、夏休み最後にいい思い出が出来そうだね……澪……」
「智香もね……」
「良かった…澪が元気になってくれて…今朝の様子だと、明日から旅行だというのに、どうなるかと思ったよ……」
自分でも気付いてなかったわけじゃないが、今の私は、明日が待ち遠しくなっていた……
霞みがかっていた空が、一気に晴れたようで、どこか浮かれていたのだった。
それから、私たちは、隣接するスーパーに行って、お菓子などを、たくさん買い込んだ。