澄んだ瞳に

◆◇淳side◇◆


待ちに待った、旅行当日


車内の様子…

さっきから澪の視線を感じる…
こっちを見ている。
それも、俺の体に穴が開くんじゃねぇっかってぐらい…
知らんぷりしてても良かったが、そんな澪が可愛くて、つい意地悪心が芽生え、言ってしまう。


俺は毎日カッコいいんだって……おまけに、そうだろ?と返事までさせた。


すると澪は、案の定顔を真っ赤にした上、俺から目を逸らした。

その素振りはいつもの澪と変わりない……



後ろの二人といえば……
悠哉と智香ちゃんは、高速に乗る頃には、すっかり熟睡。


ルームミラーには、二人がベッタリと抱きつくように寝てる姿が映る…

俺は正直羨ましいと思った

俺は、澪の左手をギュッと握って、後で抱き締めてやるからって言った。


その途端、澪に異変が起きる……
もしかして?
刺激するようなこと言っちまったか……
澪は、窓の外に目をやる。やっぱ、図星だったか…


とりあえず、俺は気付かないふりをした。


すると、澪も、気持ちを切り替えしないと思ったのだろう……ガムを食べないか?と聞いてきた。


俺はただ、ハンドルを握っていたので、ガムの包み紙を外すして、口の中に放り込んで欲しかっただけだった……

澪の方に顔を向ける訳にはいかないので、口だけを開けて待った。

澪は、ガムを放り込んでくれたが、その時に、俺の唇に澪の指が触れた……


その瞬間、澪は自分の手を急いで引っ込めた。


そして、今度は体ごと、窓の方に向けた。


やっぱり、澪の様子がおかしい…あの日のことを、引きずっているのだろう…




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