澄んだ瞳に
それから、澪は荷物を片付けると言った。
俺の鞄まで、手に持ってくれていた。そんな些細なことだったが、澪が取った行動が嬉しかった。
ほんとに奥さんみてぇ…
澪にクローゼットがある部屋を教えた。
寝室に備え付けてあった。
澪に、わかったかどうか確認すると、返事がなかった
俺は気になり、寝室へ向かう……そこには、呆然と立ち尽くす澪の姿があった。
きっと、ダブルベッドだったことに驚いたのだろう。
俺が、澪の名前を呼ぶと、我に返ったが、やけに慌てていた。
俺は、部屋の事情を説明して、ベッドは澪が使うように言った。
すると、呟くように、澪は言ったんだ……
一緒には寝てくれないんだ……
それは、凄く悲しそうな声で、澪は泣いていた。
俺は澪の気持ちに気付いていたが、あえて気付かないふりをした。
澪が寝るまでは、傍にいてやっから……
返事をしない澪……
澪自身、感情が抑え切れなくなってるということは、すぐにわかった。
すると、澪は俺に抱きついてきた……
俺は、澪を抱き締めていた
そんな涙いっぱい溜めた目で、俺のことを見ないでくれって……
我慢出来ねぇって……
俺、もう限界……
そう言った俺に、澪は、俺の名前を呼んだ。
澪も同じ気持ち…
そして、俺は澪を抱きかかえて、ベッドに寝かせた。
澪にキスをした。
深いキスへと発展する…
澪の口の隙間からは、甘い吐息が漏れてくる……
キスを口から首筋、首筋から胸元へと、ゆっくりと滑らせていく……
澪は、俺の腕をギュッと掴んだ……澪は初めての世界へと身を投じるのに、一瞬不安が過ったのだろう…
俺が、怖いのか?と尋ねると、澪がコクりと頷いた。
俺は、まるでガラス細工でも扱うように、ゆっくりと優しく、澪の体を愛した。
そして、澪と一つに繋がった……澪は軽く閉じていた目を一瞬きつく瞑ったが、表情は色っぽさを戻した。
澪の体から全ての力と意識が離れてしまうと同時に、俺自身も果てた。
俺は澪から体を離し、澪の横に、寄り添うように横になった。
大人の女性になった澪の頭を優しく何度も何度も愛しく撫でた。