澄んだ瞳に


私たちは、とりあえず、プールへと向かった。


お兄ちゃんたちの少し後ろを歩きながら、淳は、私を睨んでます…


また口パクで、何かを言ってます…

『バレただろ…おまえのせいだ…』

はぁ〜 やっぱりそうなるのか…

私は、淳に謝った…

『ごめん…』




プール更衣室の前で、淳たちと別れて、智香と女子更衣室に入った。



二人っきりになると、智香が私に聞いてきた…
智香は、お兄ちゃんたちの前では、あまり喋らない。別に猫を被ってる訳ではなく、まだ慣れなくて気を遣ってるのだと思う


「ねぇ、澪…ほんとに大丈夫なの?」


やはり、心配そうな顔をしている……


私は笑顔で、答えた…


「ほんと、大丈夫だって……」


智香に打ち明けようかどうか悩んでいた…


智香も、お兄ちゃんと一緒で、やけに感が働くところがある…さっきのお兄ちゃんの様子を見て、何か気付いてるかもわからない…


「もしかして……」


やっぱり、気付いてる?

後に続く言葉を待った…


「矢崎さんと、喧嘩でもした?」


ズコ……

自分から話するより、正直当てて欲しいと思った。

私は智香に、小声で言った

「淳と…しちゃった…」


顔がポッと赤くなるのがわかった。

智香の反応が気になる…

きっと、驚くだろうと思った…が、智香の口からは意外な言葉が発せられた…


「実はね…私もなの…」


私も……?

って、ことは……?


智香と目があった……


「『おめでと――っ』」


二人で、同じ言葉が出た。
智香と手を取り、喜びあった。



その後、水着に着替えながら、話していると、智香たちも、レストランには行けなかったそうだ…



智香と話をしながらだったので、少し時間がかかってしまった。
着替えを済ませ、プール出入口のところで、設置してあるバスタオルを手に取り、外に出た。





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