澄んだ瞳に



プールサイドまで行くと、淳たちは、既にプールの中で遊んでいた。



智香が急に歩くのを辞めた。


「どうしたの?智香…」



「何、あれ……?」



「………ん?」



「悠哉さんたち…見て?」


智香が見てと言ったので、私は、淳たちの方を見た。すると、淳たちは、女二人組と、プールの中で楽しそうに遊んでいた……


私は特別な感情も湧かず、智香がなぜ気にしたのかが、わからなかった…



「楽しそうに遊んでるね…」



「とりあえず、傍まで行こう…」


と、言って、智香が、いきなり私の手を引っ張って歩き出した…




淳たちが遊んでいる傍まで来ると、智香が言った。



「お待たせ……」



智香が言うまで、私たちには気付いてなかった、淳たちは、私たちに気付いて言った。



「遅かったな……」



すると、淳たちと遊んでいた、女の一人が、聞いた。


「ねぇ、この子たちって、知り合い?」



「あ〜…妹と……」


と、お兄ちゃんが答え終わらないうちに、その女が言った。



「妹なんだ〜…じゃ、私たちと遊んでても、構わないよね〜?」



この人、何言ってるんだろうと思った。


確かに、お兄ちゃんからすれば、私は妹だ。でも、お兄ちゃんは、妹と…彼女って言おうとしていた。それを、妹だけを聞いて、勘違いしてるのだと、思った。


そして、また女が言った。

「お兄ちゃんたち、借りるね〜…」


借りるって……物みたいな言い方して…

淳は、物じゃないよ!



「どうぞ。ご自由に!」


と、智香が言ったので、私はビックリした。



すると、女は「ヤッター」と喜んで、淳たちに有無を言わせず、手を引っ張って、プールの中ほどまで、連れて行ってしまった。



私は、呆気に取られてしまった。



淳たちを連れて行かれてしまい、私と智香は、プールサイドに置かれていた、パラソルの下に入った。





< 243 / 277 >

この作品をシェア

pagetop