澄んだ瞳に
プールサイドまで行くと、淳たちは、既にプールの中で遊んでいた。
智香が急に歩くのを辞めた。
「どうしたの?智香…」
「何、あれ……?」
「………ん?」
「悠哉さんたち…見て?」
智香が見てと言ったので、私は、淳たちの方を見た。すると、淳たちは、女二人組と、プールの中で楽しそうに遊んでいた……
私は特別な感情も湧かず、智香がなぜ気にしたのかが、わからなかった…
「楽しそうに遊んでるね…」
「とりあえず、傍まで行こう…」
と、言って、智香が、いきなり私の手を引っ張って歩き出した…
淳たちが遊んでいる傍まで来ると、智香が言った。
「お待たせ……」
智香が言うまで、私たちには気付いてなかった、淳たちは、私たちに気付いて言った。
「遅かったな……」
すると、淳たちと遊んでいた、女の一人が、聞いた。
「ねぇ、この子たちって、知り合い?」
「あ〜…妹と……」
と、お兄ちゃんが答え終わらないうちに、その女が言った。
「妹なんだ〜…じゃ、私たちと遊んでても、構わないよね〜?」
この人、何言ってるんだろうと思った。
確かに、お兄ちゃんからすれば、私は妹だ。でも、お兄ちゃんは、妹と…彼女って言おうとしていた。それを、妹だけを聞いて、勘違いしてるのだと、思った。
そして、また女が言った。
「お兄ちゃんたち、借りるね〜…」
借りるって……物みたいな言い方して…
淳は、物じゃないよ!
「どうぞ。ご自由に!」
と、智香が言ったので、私はビックリした。
すると、女は「ヤッター」と喜んで、淳たちに有無を言わせず、手を引っ張って、プールの中ほどまで、連れて行ってしまった。
私は、呆気に取られてしまった。
淳たちを連れて行かれてしまい、私と智香は、プールサイドに置かれていた、パラソルの下に入った。