澄んだ瞳に


プールに戻ると、あの二人組はいなかった。
私は、ホッとした……すると、淳が言った。


「俺も焼いた…お前に釘付けになってる連中に…」


肩を抱き寄せられたままだったが、顔の向きを変えて、淳を見た…


「……えっ?」


「…お前、可愛いからな…そういう目で見られてんだよ…いつだって…」


私が……?

淳だけじゃないの…?

私は、いつも淳のことしか見てなかった。だから、今日みたいに焼いたことなどなかった…

淳は、以前から、焼いていたんだとわかり、私は嬉しかった。



「さっ、中に入るぞ…Tシャツ脱げよ!」

と、言った淳は、首に掛かったバスタオルを取り、下に置いた。

そして、私もTシャツを脱いだ。



淳は、先にプールに入ると、「おいで…澪」と言って、私を迎えるように、両腕を広げた…


私は少し恥ずかしかったが、淳に抱き締めてもらいたかったので、プールの縁に腰を下ろすと、淳の広げた腕の中に入った。


淳は、ギュッと抱き締めてくれた。私は、それに応えるように、淳の首に手を回した。


淳は、私の両足を、自分の腰の辺りに絡ませると、プールの中ほどまで、進んで行った。


「淳、恥ずかしい…」


「誰も、見てねぇって…」

辺りを見回すと、プールの中にいたのは、私たちの二人だけだった。


「お兄ちゃんたちは?」


「パラソルの下…」


私は首を伸ばして見ると、二人で、肩を寄せ合って座っていた。


ついでに、ぐるりと辺りを見回すと、他に人影もなく、私たちの4人しかいなかった。


「…な?俺たちだけ…」


そう言った後、淳は私の額に、自分の額をピッタリとくっ付けてきた。


淳は腰を落とし、そのまま肩まで水の中に浸かった。



< 246 / 277 >

この作品をシェア

pagetop