澄んだ瞳に

『キャー…カッコいい〜』
『すっごぉ〜ぃ…』


あの二人組が騒いでいるように、確かに淳たちは、格好良かった。

「何、あれ!!あんなに騒いで、バッカみたいっ!!」

と、智香が言った。


私は普段ではあり得ない行動へと出ると、波打ち際まで行こうと、智香を誘ったのだ。
智香は少し目を丸くしたが、すぐに、うん!と言って波打ち際まで行った。


すると、私たちに気付いて近寄ってきた…
やたらと、香水の匂いが鼻に付いた。

「あんたたち、いくら兄妹と言っても〜、気持ち悪いね!ブラコンなわけ〜?」
やたらと語尾を伸ばして喋る人だった。

私も智香も黙ったまま、その女をジッと見た。


「何も言わないってことは〜、当たってんだぁ…でもさ〜あんたたちみたいなんが、傍でウロチョロしてたら、あの人たちが、可哀想〜…」

私はいつになく、ムカついたので、言ってやった。

「それって、どういう意味なんですか!?」

すると、その女は、フン!と鼻で笑い、言った。

「そんなこともわかんないわけ〜?やっぱお子ちゃまね〜どう見たって、高校生にしか見えないもんね〜」
小馬鹿にされ、ますますムカついた。


すると、もう一人の女が言った。

「頭悪いようだから、教えてあげましょうか…人の恋路を邪魔すんなって言ってんの!わかった?わかったなら、向こう行っててよ!」

そう言った後、私たちを凄い目で睨んできた。


「頭悪いのは、あなたたちの方じゃないんですか?」
と、智香が言った。


「はぁ〜?何言ってんの〜?バカなのは、あんたたちの方、わかんないの〜?」
最初の女が言った。


「私たち〜、彼氏彼女の〜関係なの〜…わかった〜?わかったのなら、ちょっかい出さないでくれる!!」

私は、思わず笑ってしまった。智香があの女たちの言い方を真似て言ったのだ。

すると、後から言った女が眉間に深いシワを入れて、ギッと睨んで言った。

「黙って聞いてりゃ、いい気になりやがって!!」

「本性丸出し…」

私は思わず、本心が口から出てしまい、慌てて口を押さえた。


二人組の女は、頭から湯気が出るんじゃないかと思うくらい、カンカンに怒ってる。

一発触発かと思った瞬間だった……


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