澄んだ瞳に


すっかり日も落ち、辺りは暗く、ホテルからの灯りがぼんやりと届いてる…
砂浜を歩く…昼間は太陽の熱で熱くなってた砂は、生温く、冷房で冷えた足を温めてくれるような感じだった…海は真っ暗で、ザブーンと寄せては返す波の音しかしない。

淳の広い背中を見ながら、一歩後を歩く…その背中に思わず抱き付きたくなる。
淳は、歩くのを辞め、そこに腰を下ろす…私はその横に寄り添うように座った。
淳はタバコを取り出すと、火を着けて一服すると、吐き出した白い煙が風に漂い、目で追うと、先の方で、スーッと消えた。

煙を追った時に、空を見上げると、そこには都会では見れないような、満天の星が輝いてた。
真っ黒の空にたくさんの星…一つ一つが輝きを放っている。ずっと見ていると、あまりにも綺麗で、目が潤んだ。

また泣いてるのか?と淳に誤解されるんじゃないかと思うくらい、自然と涙が溢れてきた。

淳は、私の肩をそっと抱き寄せ、「首痛くねぇのか?」と言って、ゆっくりと体を倒して、腕枕をしてくれた。

「淳、腕痛くない?」と言って、顔を淳に向ける…

「いいや…こうしていると、お前の存在を、肌で感じることが出来て、すげぇ安心すんだよな…」と、淳は言った。

私も、淳にずっとこうしてもらっていたい…
でも、それも今夜を含めると、後2晩しか夜を共にすることが出来ないと思うと、急に寂しさが湧いてきた



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