澄んだ瞳に




澪と、澪の友達を家まで送る車中で、俺は、緊張していた。




何を話したらいいのかわからずに、また澪のことを直視できずに、タバコを吹かし、ぼんやりと窓の外に目をやるだけだった。




友達の家に着いた。




初めて澪と逢った日に、幼なじみの家に遊びに行ったという澪を、悠哉と二人で迎えに行った。




澪が清南高校に入学が決まったと、悠哉から連絡があった時に、その幼なじみも一緒だと聞いていた。




一度しか行ったことがない、澪の幼なじみの家だったが、遠い昔の記憶をたどり、運転手に道を伝えたのだった。




微かに残る記憶ではあったが、どうやら間違っていなかったようだ。






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