澄んだ瞳に
淳が、大笑いしてると、部屋のインターホンが鳴った
私は淳の方を見ないように、ドアまで行き、扉を開けた。
朝食が運ばれて来た。
そして、お兄ちゃんと智香の二人が、そこに立っていた。
「智香〜」と、言って、私は智香に抱きついた。
智香が元気になったという安堵感と、朝から淳にやり込めらた虚しさとが、込み上げて来て、私は泣いてしまった。
「澪、泣かなくても…私はもう大丈夫だから…ごめんね、心配かけて…」と、智香が言ってくれたけど、涙が止まらなかった。
「澪……?」
「ごめん…智香…でも…」
「おいおい…どうした?」と、お兄ちゃんが言った。
「………………」
「淳、お前だろ?朝っぱらから澪を泣かしてるのは…」
「なんでだよ!?俺は何もやってねぇよ…なんで、俺を見てんだよぉ!?おまけに智香ちゃんまで?」
淳が言ったことで、二人が淳のことを疑いの目で見ているのがわかった。
いいぞー
私を苛めるからだ…
すると、淳は、突然話を変えた…
「そんなことより、智香ちゃんの具合どう?」
そんなことより?
そりゃ、智香のことも心配だけど、じゃ、私は一体どうなるのよ?
「あぁ…夜中にはすっかりよくなってさ…今朝退院許可もらったから、その足で戻ってきた。お前たちも、その方が安心すると思ってな…」
「そっか…良かったな?智香ちゃんも、良かったな?今日一日だけになったけど、悠哉と二人でゆっくりしなよ?」
「はい、ありがとうございます…それとご心配をおかけいたしました。」
「あ〜…かまわないよ。それより、朝飯食った?」
「それが、まだ…病院から戻って、すぐにここに来たから…」
「じゃ、お前らも、ここで一緒に食えば?」
「そうさせてもらおかな…智香ちゃん、それでいい?」
「あ…うん…お邪魔じゃなければ…」
「邪魔だなんて、とんでもねぇよ…その方が助かるし…」
「あっ、やっぱり澪と何かあったんだろ?」
「だから何もねぇって…」
「怪しいな…」
三人で、会話は進められていた。
そして、お兄ちゃんたちの朝食もオーダーされた。