澄んだ瞳に

「澪も智香ちゃんも、ここ来て座れって…」と、淳が言った。

すると、お兄ちゃんが、淳に言った。

「その前によ…お前、上に何か着ろって…智香ちゃんだって、そんな格好してたら、座りたくても座れねぇだろ?」

そうそう!!お兄ちゃんの言う通りだ!!
いいこと言うね〜?
さすが!!お兄ちゃん!!

「わりぃ、わりぃ…すぐに着替えてくるわ…」と、言って、淳が立ち上がった瞬間、さっき淳が手にしてた例のものが床に落ちた…


それを目撃した、お兄ちゃん…

「淳…お前、そんな趣味あったっけ?」

「何言ってんだ!?そんなもんあるわけねぇだろ?」

「じゃあさ…それ誰の?」
「…誰のって、澪のに決まってんじゃねぇか!!」

「だったら、何でお前が澪の下着、持ってんだ!?」

「そ、それは…澪がたまたま、ここに置き忘れてたんじゃねぇか…なっ、澪?」
タジタジになった淳は、私の方に目をやった…

「私、知らない。そんなところに置き忘れてたりなんかしないもん」と、淳にアッカンベーをしてやった。
「あ〜そうかよ…別にいいぜ…お前がそのつもりなら、俺にだって考えがあるから…」と、言った淳は、私をキッと睨むと、ベッドルームへと、入って行った。

「お兄ちゃん、ありがとっ。ちょっとスッキリした」
「あいつのことだ、おおよそ検討は付く…でも、あの様子じゃ、淳のやつ、相当頭にきてるぜ?澪、悪いことは言わねぇから、今のうちに謝って来いよ?」

「なんで、私が謝んなきゃいけないの?」

「いいから…!言われた通りにしろって…後で酷い目に合うぜ?」

私より、お兄ちゃんの方が淳との付き合いは長い。
ここは、お兄ちゃんの言うことを聞いておく方が、いいかもしれない。
私は淳のところへ行った。


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