澄んだ瞳に


「おいしかった〜お兄ちゃん、ご馳走様」

みんなで、お礼を言った。

「ねぇ、見て…虹じゃない?」と、智香が言ったので、みんなが一斉に目を向けた。
雲の間が薄日が射し込むところに、7色の虹がくっきりと空に架かっていた。

「凄い!!こんなにもはっきり見たのって、初めてかも〜綺麗な虹だね?」
私は目を輝かせた。

夕日、月、星空、虹…
淳と二人で見た、想い出の空……あとは、日の出か?
明日の朝、早起きして見たいな〜…

「澪?明日は早起きすっか?」と、淳が言った。

「それって…?」

「もちろん!!日の出だろ?」

「なんで、わかったの?」
私が今、考えたことだよ?
「俺を誰だと思ってんだ?お前と見てきた空は、覚えてるぜ…お前も思ったんだろ?」

私は、うん。と頷いた

淳って、ほんと最高だ
いつも私と同じ気持ちでいてくれてる。


でも、その約束は実現しなかった……


なぜなら、その日の夜のこと…………


最後の晩餐と称して、部屋で4人で、夕食を取った。

淳は、私と入れ違いに、お風呂に入って、お兄ちゃんたちは、まだ部屋には来ていなかったが、その間に、食べきれないほどの料理が次から次へと運ばれた。


お風呂上がりだったので、喉が渇いていて、飲み物を選び、一気に飲んだ………
炭酸系で口当たりがよかった

なんか…体が、熱ってきた
……ん?
微妙にフワフワする


実は、私が飲んだのは、スパークリングワインだったのだ。

そして、意識が薄れてきて、ソファーで、横になった



< 272 / 277 >

この作品をシェア

pagetop