澄んだ瞳に
淳は、私を睨んだままソファーから、ゆっくり立ち上がり、歩き出した。
完全にロックオンされた私は、動けなかった。
そして、私の前に立った。
「何ビビってんだ?飯行くぞ!!」
ふぅ〜〜〜っ
焦った…背中に一筋の汗が伝った。
そんなことを言うだけのために、睨まないで欲しいものだ…
私って、普段から文句言いみたいになってる?
「今日帰んだから、早くしろって」
「は、はいっ!!」
それから、お兄ちゃんたちと、朝昼兼用で食事をして、食べ終わると、部屋に戻り、帰り支度をした。
淳たちは、フロントで会計を済ませ、車へと向かった
帰りは、お兄ちゃんが運転を名乗り出てくれたので、私と淳は、後ろの座席に座った。
楽しかった旅行も終わろうとしている……
車の中は、やけに静まり帰っていた。
淳と智香は、寝ていた。
「澪…智香ちゃんのサポ頼むな?」と、お兄ちゃんが私に言ったのだ。
お兄ちゃんに頼まれ事をされるなんて、初めてのことだった。
いつもコケにされっぱなしだったけど、嬉しかった。
「任せといて!!」
ルームミラー越しだったが、お兄ちゃんのニッコリ笑った顔が見えた。
『しっかりやれよ』
淳は、薄目を開けて言った