澄んだ瞳に



そして、とうとう家に着いてしまった。


今日は土曜日で、パパも休みだったので、ママと二人で出迎えてくれた。

「『おかえり』」


そして、我が家で全員が一緒に夕飯を食べることになった。


私と淳
そして、お兄ちゃんと智香
それぞれが結婚したら、こんな家族になるんだろなと思った。

お互いが親友関係にあるから、きっと中の良い義兄弟になるのだろう。

叶えば、素敵だなって思った。



淳が、箸を置いた。

「お食事中、失礼します。お父さんたちに、お願いがあるのですが…」と、淳が唐突に話をし出した…

「お願いというのは、澪さんと一緒に、住まわせて頂きたいと思ってます」


みんなの箸が一斉に止まった。そしてみんなの顔が淳に向いた。


うそっ……
こんなに早くに話をするなんて、聞いてないよ…
私は、パパたちの返事が気になった。


「それは、すぐにでもってことかな?」と、パパが淳に聞いた。

「はい。準備が出来次第になりますが…」

「………………」

パパ?
ダメなの?


「澪も同じ気持ちなのよね?」と、ママが私に聞いた
「うん…3日間も淳と一緒に過ごしたから、離れたくないって気持ちが、より一層強くなってしまって…」

私は涙が溢れた…
決して、泣き寝入りの涙なんかじゃない。
淳と離れることを思うと、悲しくなったからだ。


「どうだ、ママ?通学も淳君の家からの方が近いし…澪の気持ちもママにならわかるだろ?」


「えぇ…それはもう痛いくらいに…私たちもそうだったものね、パパ?」


「『えっ?』」


今度は、パパとママが注目の的となった…





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