澄んだ瞳に
「実は、私たちもだな…旅行がきっかけで、同棲することになってな…まだ学生だったし、親たちに反対されるかと思ったけど、許してもらってな…」と、パパは恥ずかしそうに話した。
「パパと私の両親もね、反対して駆け落ちでもされたら困るって、許してくれたのよ…澪と違って、私たちは大学生だったけどね…」
初耳だった。私だけでなくお兄ちゃんもだと思った。
なぜならキョトンとしていたからだ。
「そんなことだから、許さないわけにもいかないだろ?」と、パパは言った。
「ありがとうございます。新学期に間に合うように、準備します」
「パパ、ママに感謝だよ…ありがと。」
私と淳は、二人で目を合わせた……
やったね!!
夕食が終わると、淳は、早速私を受け入れる準備をすると行って、帰って行った
淳を見送り、家に入ると、智香も帰るところだった。
「智香は、もう少しゆっくりして行きなよ?」
「えっ?あ…うん…」
「お兄ちゃんが、引き止めてあげなくちゃ…」
「そう思ったけど…」
お兄ちゃんは、頭をくしゃくしゃと掻いた。
「お兄ちゃんが、ちゃんとしてあげないと、女の子からは、我が儘言えないんだよ…わかった?」
夏休みが終わると同時に、お兄ちゃんと智香は、しばらく逢えなくなる……
少しでも、一緒に居たいとお互いに思っているに違いないのに、お互いが我が儘を口に出せない…
もどかしさが伝わる。
私は後片付けを手伝い、お兄ちゃんたちは、自分の部屋に行った。
お兄ちゃんが、智香を家に送ったのは、日付が変わろうとしていた。
私は、いつの間にか、眠ってしまった。