澄んだ瞳に
何か言わなきゃ……
とりあえず、この間のお礼を言わなきゃ……
「あ、あの、先日は、どうもありがとうございました。」
「……ほんとに、感謝してんの……?」
「は、はいっ。もちろんです。」
「なら、今度、俺に付き合え!」
「……えっ……?」
「こっちから、連絡すっから……携帯番号は……?」
「あっ、はい。え〜っと……、090―○○○○―××××です……」
「……わかった。じゃ…』
ブチッ!
プー、プー、プー、プー……
一体何が起こったのか、頭の中が、パニック状態だった私は、智香の携帯を握りしめたまま、茫然としていた。
「……澪?」
心配そうに、私の顔を覗き込むように、智香が私の名前を呼んだ。
「どうした?何か言われた?」
「……う、うん。」
自分に何が起こったのか、それすらわからず、一点を見つめたまま、智香に携帯を返した。