澄んだ瞳に
呆然としていた私に、智香が喋りかけた……
「澪、あの人と矢崎コーポレーションが、どういう関係かは、わからないけど、矢崎コーポレーションって、凄い企業だよ……」
まだ頭がボーッとしていたが、矢崎コーポレーションと、凄いという言葉に、何故か反応してしまった…
「……えっ?何が、凄いの…?」
「澪、知らないの……?」
「うん……。」
「矢崎コーポレーションの経営内容は、ホテル・マンションを中心とした不動産関係・飲食店・レジャー産業……私が知ってるだけでも、これだけあるよ……」
「………へ〜…」
「へ〜って、それだけ?」
「…………。」
「澪、反応薄いよ。私なんか、ビックリし過ぎて、ぶっ倒れそうなぐらい、驚いてるんだから……」
「……そ、そうなの?」
ぶっ倒れるくらい、凄いことなのかな?
智香は、少し大袈裟なとこあるし……
私は、矢崎コーポレーションが凄いことより、矢崎さん本人のことが、気になっていたのだった……
「もういいよ!」
澪は、やっぱ鈍いよな。
智香の独り言に気づかない私だった。