澄んだ瞳に
強引なお誘い 〜淳side〜
秘書たちに見送られ、車に乗り込む。
会食が行われる、ホテルへと向かった。
タバコに火を着けた。
ブルブル……
ブルブル……
上着の内ポケットに入れてあった、携帯が震えた。
仕事中は、マナーモードに設定してある。
会社に電話をして、秘書から外出中と告げられて、携帯に掛けてきたんだろうと思った。
俺は、内ポケットから、携帯を取り出した。
着信中の携帯のディスプレイには、11桁の電話番号が写し出されていた。
未登録の電話番号だ。
間違い電話か、下らん電話だろと思った。
そうしてる内に、留守番のアナウンスが、流れたのだろう、携帯のバイブの振動は止まった。
そして、内ポケットに仕舞おうとした。
だが、何故か無性に気になり、俺は、応答した。
「もしもし……?」